| ●賃貸借契約の目的物に係る留置権の成立と不成立 〔判例〕 | ||
| 〔借家〕必要費・有益費の償還請求権 | ○ | 建物に留置権を主張することができる。 |
| 〔借地〕建物の買取請求権 | ○ | 建物だけでなく,借地の土地についても,留置権を主張できる。 |
| 〔借家〕造作買取請求権 | × | 造作に留置権を主張することはできるが,建物に留置権を主張することはできない。 |
| 〔借家〕敷金返還請求権 | × | 敷金返還請求権は建物の明渡し時に発生するので,建物に留置権を主張することはできない。 |
2009年08月05日
賃貸借契約の目的物に係る留置権の成立と不成立
2009年08月03日
物上代位権の行使
Aは,B所有の建物に抵当権を設定し,その旨の登記をした。Bは,その抵当権設定登記後に,この建物をCに賃貸した。Cは,この契約時に,賃料の6ヵ月分相当額の300万円の敷金を預託した。この場合,民法の規定及び判例によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。(平成15年・問5) |
| 1.「Bが,BのCに対する将来にわたる賃料債権を第三者に譲渡し,対抗要件を備えた後は,Cが当該第三者に弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。」 |
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2.「Bの一般債権者であるDが,BのCに対する賃料債権を差し押さえ,その命令がCに送達された後は,Cが弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。」 |
| 3.「Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後は,Cは,Aの抵当権設定登記前からBに対して有している弁済期の到来している貸付金債権と当該賃料債権とを相殺することはできない。」 |
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4.「Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後,賃貸借契約が終了し建物を明け渡した場合,Aは,当該賃料債権について敷金が充当される限度において物上代位権を行使することはできない。」 |
【正解】
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | × | × | ○ |
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●法改正との関連 改正されたのは,「抵当権設定後の賃貸借の抵当権者・競落人に対する対抗力」に関するものであり〔抵当権実行後に賃貸借の存続を主張できるかということ〕,本問題設定での「物上代位」に関する手続等は法改正の前後を問わず概ね変わらないと考えられます。〔抵当不動産収益執行との競合等に関して民事執行法で改正がありましたが本問題には関係がありません。〕したがって法改正により問題を改める必要はないと判断し問題文の変更はしていません。 |
| ●差押えの基本事項 |
| 債権の差押えがなされると,差し押さえられた債権の債務者はその債権の債権者 に弁済すること(支払いすること) が禁じられます。 (支払いの差し止め) A (BのCに対する債権を差し押さえた)・・・差押債権者 ※差し押さえられた債権の債権者も,差し押さえられた債権について弁済受領や ※差し押さえられた債権の債務者が差し押さえられた債権の債権者に弁済しても, ~ 註 差押えについては,各基本書とも掲載がないものが多いのですが,上記 |
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▼物上代位の最近の出題例 売却代金(H2-6-3),損害賠償金(H7-6-3),火災保険金債権(昭和55-7-4),建物の賃貸借の賃料(H11-4-1,H15-5), |
| 1.「Bが,BのCに対する将来にわたる賃料債権を第三者に譲渡し,対抗要件を備えた後は,Cが当該第三者に弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。」 |
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【正解:×】 ◆債権譲渡後に抵当権者はその債権を差し押さえることができる A (抵当権者)
さて本肢では,『この抵当権設定者のもつ賃料債権が第三者に譲渡されたらどうなるか? 第三者に譲渡された賃料債権にも物上代位権を行使できるのか?』これがポイントです。 結論から言えば,物上代位権を行使するには,払渡し又は引渡し前に差押えることが必要ですが,『債権譲渡は,払渡し又は引渡しに該当しない』とされているので,債権譲渡された後でも物上代位権を行使できます。
賃料債権の譲渡 物上代位 ―――●―――――――――●―――→ ⇒ 物上代位権を行使できる したがって本肢は×です。 |
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| ●参考問題 | ||
| 1.「抵当権の目的物になっている家屋の家賃については,支払われる前に差し押さえれば,抵当権者は抵当権の目的物である家屋の賃借人に対して家賃の支払いを請求できる。」(司法試験択一・昭和42-38) | ||
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【正解:○】物上代位には,払渡し前・引渡し前の差し押さえが必要。 |
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2.「Bの一般債権者であるDが,BのCに対する賃料債権を差し押さえ,その命令がCに送達された後は,Cが弁済する前であっても,Aは,物上代位権を行使して当該賃料債権を差し押さえることはできない。」 |
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【正解:×】 ◆一般債権者の差押えと抵当権者の物上代位権行使のための差押えの競合 A (抵当権者)
差押命令の送達 抵当権設定登記 ⇒ 物上代位権を行使できない ―――●―――――――――●―――→ 抵当権設定登記 差押命令の送達 ⇒ 物上代位権を行使できる ―――●―――――――――●―――→ 本肢では,一般債権者Dの申立てによる差押え命令の第三債務者Cへの送達は |
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3.「Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後は,Cは,Aの抵当権設定登記前からBに対して有している弁済期の到来している貸付金債権と当該賃料債権とを相殺することはできない。」 |
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【正解:×】 ◆差押えの後の相殺 A (抵当権者)
したがって本肢は×です。 抵当権設定登記 抵当権設定登記
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4.「Aが物上代位権を行使して,BのCに対する賃料債権を差し押さえた後,賃貸借契約が終了し建物を明け渡した場合,Aは,当該賃料債権について敷金が充当される限度において物上 |
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【正解:○】 ◆敷金返還請求権 / 賃料債権への物上代位権の行使 ┌― A (抵当権者) 『敷金が充当される限度において』という表現が難しいため,わかりやすく 賃貸借契約が終了して賃料債権〔未払い分の賃料〕が残っているが,敷金 結論としては『できません』。 1) まず敷金と未払い賃料の関係についてみてみましょう。
つまり,明渡し時に残っていた賃料債権〔未払い分の賃料〕が敷金よりも少なければ,敷金から充当されるために,その賃料債権は当然に消滅します。 〔未払い分の賃料が敷金よりも多ければ,敷金で充当しきれなかった金額が賃借人の債務として残ります。この場合でも敷金で充当された賃料分の債権は当然に消滅します。〕 2) このように,BのCに対する「敷金で充当された賃料債権」は消滅しているため,抵当権者は,「敷金で充当された賃料債権」に対しては,物上代位権を行使することはできない,と判例は示しています。(最高裁・平成14.3.28) ⇒ 未払い分の賃料が敷金よりも多ければ,敷金で充当しきれなかった金額
したがって本肢は○で,本問題の正解肢になります。 |
| ●不動産登記法の改正・敷金 |
| 不動産登記法132条の改正により,敷金も登記できるようになりました。これにより,賃借権 (乙区)
の記載事項は,賃借権者・設定日付等を除き,以下のようになります。
必須事項=借賃 定めがあるとき=建物所有の目的(賃借地),存続期間,支払時期,敷金, |
抵当権
| 2.「賃貸建物に設定された抵当権の効力は賃借人がその建物に備え付けて供用している機械にも及ぶ。」(司法書士・昭和63-9-5) |
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【正解:×】 ◆附加一体物が設定者以外の所有の場合 設定者以外の他人の権原によって附属させた附加一体物には抵当権の効力は及びません。 |
4.「賃借地上の建物に設定された抵当権は、賃貸人の承諾のない限り、当該土地
賃借権には及ばない。」(司法書士・平成5年・問12・肢3)
| 【正解:×】
◆借地権 抵当権の効力は、借地上の建物に抵当権を設定した場合、その建物の敷地の利用権である借地権にも及びます。建物は敷地利用権なしには存在できないからです。 建物の所有に必要な敷地の賃借権は、建物の所有権に附随し、これと一体となって1つの財産的価値を形成しており、従たる権利として土地の賃借権に抵当権の効力が及びます。(最高裁・昭和44.3.28)判例では、民法87条2項類推適用説 ただし、競落人は、土地の賃借権の移転について、賃貸人の承諾が必要(612条1項)で、承諾がないときにはそれに代わる裁判所の許可が必要になります。(借地借家法19条、20条) |
3.「同一不動産につき数個の抵当権が設定されている場合、これらの抵当権の順位を
変更するには、各抵当権者の合意及び抵当権設定者の承諾が必要である。」(昭和59)
| 【正解:×】
◆抵当権の順位の変更=各抵当権者の合意及び利害関係人の承諾 抵当権の順位の変更には、各抵当権者の合意と利害関係人(転抵当権者、被担保債権の差押え権者など)の承諾が必要とされています。(民法374条1項) しかし、抵当権設定者は利害関係人ではないため、抵当権の順位変更についての設定者の承諾は不要です。 ▼順位の変更の効力(H13-7-4) 順位変更登記をもって効力が生じます。(民法374条2項) なお、この抵当権の順位の変更の登記は、乙区事項欄に記載されます。(H3-15-2) |
6.「AがBに対して有する100万円の貸金債権の消滅時効に関する次の記述は、○か×か。
AがBの不動産に抵当権を有している場合に、Dがこの不動産に対して強制執行の
手続を行ったときは、Aがその手続に債権の届出をしただけで、Aの債権の時効は中断
する。」(H9-4-4)
| 【正解:×】
◆被担保債権の消滅時効の中断 B(抵当権設定者)―A(抵当権者) Aの債権の消滅時効が中断するのは、Aが「請求などの権利の行使」をしたときです。(民法147条) 時効の中断理由…債権者の請求、債権者の差押え・仮差押え・仮処分、債務者の承認 Dが強制執行の手続を行ったときにAがその手続に債権の届出を行っただけでは、請求にはあたらないため、Aの債権の時効は中断しません。(最高裁・平成1.10.13) |
2009年07月30日
担保責任・債務不履行
宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。(平成16年・問10)
| 2.「Aは,C所有の土地を自ら取得するとしてBに売却したが,Aの責に帰すべき事由によってCから所有権を取得できず,Bに所有権を移転できない場合,他人物売買であることを知っていたBはAに対して損害賠償を請求できない。」 |
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【正解:×】 ◆全部他人物売買と債務不履行 売主に帰責事由があることが本肢の着目点です。 この問題は,一見担保責任の問題のように見せかけながら,実際は,他人物売買でも,民法415条の<売主の帰責事由によって履行できなかったときは,債務不履行に基づいて損害賠償請求することができる>規定が適用されるとする判例の問題でした。 全部他人物売買では,買主が悪意の場合,買主は (解除することはできても),担保責任による損害賠償請求をすることはできません(民法561条)。← ただし,所有権を移転させることができなかったことについて売主に過失などの帰責事由がないことが前提。 しかし,売主Aの帰責事由によってCから所有権を取得できず,Bに所有権を移転できなかったときは,買主が悪意の場合であっても,債務不履行に基づいて損害賠償請求をすることができます(民法415条後段,最高裁・昭和41.9.8)。〔債務不履行に基づいて解除することもできる。(民法543条)〕 ●全部他人物売買で買主が悪意の場合に,売主が買主に所有権を移転できなかったときの扱いの違い
▼本肢は,受験者のほとんどが知らなかった事項でした。宅建試験では,民法の基本問題でも,それまで出題がなかったために超難問になつてしまうという典型的な例です。 |
| 4.「Bが敷地賃借権付建物をAから購入したところ,敷地の欠陥により擁壁に亀裂が生じて建物に危険が生じた場合,Bは敷地の欠陥を知らなかったとしても,Aに対し建物売主の瑕疵担保責任を追及することはできない。」 |
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【正解:○】 ◆瑕疵は売買の目的物になければならない 瑕疵担保責任を追及する場合,その瑕疵は売買の目的物自体にあるものでなければいけません。本肢では,「建物」と「その敷地の賃借権」が売却されているので,<建物に注意してもわからなかった欠陥がある>または<賃借権自体に何らかの予期しない制限がある>のでなければ追及できないことになります。 本肢と類似のものを扱った判例では,敷地の欠陥 (物理的瑕疵) は土地の所有者 (賃貸人) に修繕を請求すれば足り<∵賃貸人には修繕義務がある>,売買での瑕疵とはいえないため,建物売主の瑕疵担保責任を追及することはできない,としています。(最高裁・平成3.4.2) |
2009年07月28日
履行遅滞
AはAの父親の恩人であるBにA所有の土地を売却し、その代金のうちの500万円は、将来Aの父親が死亡し、その死亡した日から1ヵ月以内に決済する約束をしていた。Bが当該500万円について履行遅滞となるのは、次のうちいずれの時からか。(昭和54年) |
| 1.「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した日。」 |
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2.「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した後、Aの父親が死亡したことをBが知った日。」 |
| 3.「Aの父親が死亡したことをBが知ったときから1ヵ月を経過した時。」 |
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4.「Aの父親が死亡し、Bに対して催告した後1ヵ月を経過した時。」 |
| 1 | 2 | 3 | 4 |
| × | ○ | × | × |
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◆不確定期限 → 「期限の到来+知ったとき」が履行遅滞の発生時 A(売主――Bう(買主)
不確定期限つきの債務の場合は、期限が到来し(その事実が発生)、かつ債務者がそのことを知ったときから履行遅滞になります。 本問題では、「Aの父親が死亡したときから1ヵ月を経過した時」が期限であり、「Bがそのことを知ったとき」、Bは履行遅滞になります。 したがって、2の「Aの父親が死亡した日から1ヵ月を経過した後、Aの父親が死亡したことをBが知った日」に、Bは履行遅滞になります。 |
代理の瑕疵
Aが,B所有の建物の売却(それに伴う保存行為を含む。 )についてBから代理権を授与されている場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。(平成13年・問8)
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2.「Aが,買主Dから虚偽の事実を告げられて売買契約をした場合でも,Bがその事情を知りつつAに対してDとの契約を指図したものであるときには,BからDに対する詐欺による取消はできない。」(類・平3) |
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【正解:○】 ◆代理の瑕疵−相手方が虚偽の事実を告げたことを本人が知っている場合 B (本人) 本人はDが虚偽の事実を告げたことを知っていた。 代理人の意思表示に瑕疵があった場合−心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫の存否,特定事情についての善意悪意,過失の有無は,代理人を基準に判断されます。(101条1項) たとえば,代理人が詐欺・強迫を受ければ,本人が詐欺・強迫を受けていなくても,本人は取り消すことができます。 しかし,代理人が特定の法律行為の委託を受け本人の指図に従って行為し,本人がその事情について知っていたり,過失で知らなかった場合には(悪意有過失),代理人が知らなかったことや代理人の無過失等を相手方に主張することができません。(101条2項) したがって,本肢は,Bがその事情を知りつつAに対してDとの契約を指図したものであることから,BはDに対して詐欺による取消はできません。 |
2009年07月26日
表見代理(民法110条)の類推適用・無権代理と相続
B所有の土地をAがBの代理人として,Cとの間で売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。(平成16年・問2)
| 1.「AとBとが夫婦であり契約に関して何ら取り決めのない場合には,不動産売買はAB夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内にないとCが考えていた場合も,本件売買契約は有効である。」 |
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【正解:×】初出題 ◆表見代理(民法110条)の類推適用 B (土地の所有者)
判例では,日常家事については,夫婦相互間の代理権があるとしています。(最高裁・昭和44.12.18)また,夫婦の一方が日常家事の範囲を超える法律行為をした場合については,相手方において,その法律行為が日常家事に関する法律行為の範囲内にあると信じたことについて正当の理由があるときには,民法110条の表見代理(権限踰越)の規定が類推適用され,その契約は有効になります。(最高裁・昭和44.12.18) しかし,本肢では,Cは「この不動産売買はAB夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内にない」と考えているので,上記の判例の表見代理の類推適用は該当せず,本件売買契約は有効にはなりません。 |
| 3.「Aが無権代理人であっても,Bの死亡によりAがDとともにBを共同相続した場合には,Dが追認を拒絶していても,Aの相続分に相当する部分についての売買契約は,相続開始と同時に有効となる。」 |
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【正解:×】初出題 ◆無権代理と相続(i)無権代理人が本人を共同相続した場合 B (本人)死亡 判例では,無権代理の本人Bが死亡して,無権代理人Aが相続したときは,Aは無権代理人の資格(地位)と本人の相続人の資格が併存していると考えます。(判例では,本人の追認するか追認拒絶するか選択する資格もその相続人に承継されるとしています。) 判例によれば,無権代理人がほかの相続人とともに本人を共同相続した場合は,被相続人B(本人)の追認権は分割されずに,共同相続人全員が一致してはじめて行使できるとしています。(最高裁・平成5.1.21) 共同相続人Dが追認を拒絶している限り,Aの相続分に相当する部分についても,Aのみでは追認できないことになるので,売買契約は有効にはなりません。<Dが追認を拒絶していても,Aの相続分に相当する部分についての売買契約は,相続開始と同時に有効となる>とする本肢は誤りです。 ▼本肢では,ほかの共同相続人Dが追認を拒絶しているので,無権代理行為の効果は本人には帰属しないことになりますが,相手方Cは,無権代理について善意無過失ならば,無権代理人Aの責任を追及し,Cの選択により,履行または損害賠償を請求することができます。(民法117条) |
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4.「Aが無権代理人であって,Aの死亡によりBが単独でAを相続した場合には,Bは追認を拒絶できるが,CがAの無権代理につき善意無過失であれば,CはBに対して損害賠償を請求することができる。」 |
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【正解:○】初出題 ◆無権代理と相続(ii)本人が無権代理人を相続した場合 B (本人)相続 無権代理人Aが死亡して,本人Bが無権代理人Aを相続した場合には,Bには,本人の資格と無権代理人の相続人の資格が併存します。(判例では,無権代理人の債務もその相続人に承継されることを認めています。) 確かに,Bは,自分自身が無権代理行為をしたわけではないので,本人の資格によって追認を拒絶しても何ら信義に反するものではありませんが,無権代理人の資格も相続していることから,もし相手方Cが無権代理について善意無過失ならば,CはBに対して無権代理人の責任を追及して,Cの選択により,履行または損害賠償を請求することができることになります。(最高裁・昭和48.7.3) したがって,本肢は正しい記述ということになります。 |
無権代理
| 相手方ができること | 相手方が無権代理について | ||
| 善意無過失 | 善意有過失 | 悪意 | |
| 本人に対して 、相当の期間を定めて
催告 ・期限までに確答がないときは追認拒絶とみなす。 ・期間内に確答があれば、無権代理契約は、有効 または無効なものとして効果が確定。 | ○ | ○ | ○ |
| 無権代理人または本人に対して
取消 本人がまだ追認していないことが要件。 (本人が追認した場合はその事実を了知するまでの間) ・取消権の行使があると本人は追認できなくなる。 ・遡及効により契約は最初からなかったことになる ので無権代理人の責任追及は、不法行為に基づく 損害賠償請求ができることになる。(民法709条) | ○ | ○ | × |
| 無権代理人(能力者)に対して
履行請求 (可能な場合) or 損害賠償請求 (本人が追認をしないこと・代理人が代理権を証明でき ないこと・相手方が無権代理につき善意無過失・無権 代理人が制限能力者でないこと・取消権を行使してい ないことの5つが要件。) なお、無権代理人の責任は無過失責任です。 | ○ | × | × |
2009年07月06日
建物の再築
| どの時期の再築か? | 土地所有者の承諾 | 存続期間 |
| 当初の存続期間中の再築 |
承諾がある場合 (みなし承諾を含む) |
承諾または再築された日の いずれか早い日から20年 (もともとの残存期間が20年より長い →契約満了時期の先延ばし 約定により20年より長くすることも可 |
| 承諾がない場合 | 当初の存続期間に変更ナシ
残存期間の満了後に |
|
| 更新後の存続期間中の再築 | 承諾がある場合
or これに代わる |
承諾または再築された日の いずれか早い日から20年 (もともとの残存期間が20年より長い →契約満了時期の先延ばし 約定により20年より長くすることも可 |
| 承諾がない場合 | ●地主は
地上権の消滅の請求 or をすることができる。 →申入れから3ヶ月を経過すると 建物買取請求権はない ●地主が解約の申入れをせずに |
2009年07月05日
37条書面
| ●貸借の媒介・代理の37条書面 |
| 本問題は必ずマスターしておきたい重要問題です。
貸借の媒介・代理の37条書面の記載事項は,以下のものです。 <売買・交換の37条書面と共通> ・当事者の氏名(法人にあつては、その名称)及び住所 ・当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示
・宅地又は建物の引渡しの時期 ・契約の解除に関する定めがあるときは、その内容 ・損害賠償額の予定又は違約金に関する定めがあるときは、その内容
・天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容
<貸借の媒介特有の37条書面> ・借賃の額並びにその支払の時期及び方法
・借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 |
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<売買・交換(媒介・代理)特有の37条書面> ・代金又は交換差金の額並びにその支払の時期及び方法 ・移転登記の申請の時期 ・代金及び交換差金以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額並びに当該金銭の授受の時期及び目的 ・代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合においては、当該あつせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置 ・<当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任>,または,<当該責任の履行に関し構ずべき保証保険契約の締結その他の措置>についての定めがあるときは、その内容 ・当該宅地又は建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容 → 特に覚えておく必要があるのは,<瑕疵担保責任・保証保険契約の締結>は「売買・交換(その媒介・代理も含む)」で,「貸借の媒介・代理」では含まないということです。 |